『震える舌』(1980)
上映時間:114分
製作国:日本
監督:野村芳太郎
脚本:井出雅人
キャスト: 渡瀬恒彦、十朱幸代、若命真裕子、中野良子、越村公一
【作品内容】
三好昭(渡瀬恒彦)と妻の邦江(十朱幸代)、娘の昌子(若命真裕)の3人は、千葉郊外の団地に住んでいる。ある日、昌子は近所の沼地で虫取りをしていると、見たことのない珍しい蝶を発見。捕獲してようとするも取り逃がしてしまう。その夜、蝶が自身の目の中に侵入する恐ろしい夢を見た昌子。それからというもの、食事を口からこぼし、ガチョウのような歩き方をするなど、彼女の心身に異常が目立ち始める…。
一人娘がテタナス(破傷風菌)に罹患したのをきっかけに、幸せな家庭が崩壊していく過程を描いた、風変わりな恐怖映画。原作の三木清による同名小説は芥川賞を受賞している。
ミミカ・モーフ 推薦コメント
こちらの映画には幽霊も悪魔も登場しない。しかし、非常に恐ろしい映画である。
子供が破傷風にかかり、闘病する姿と両親の疲弊していくサマは現実そのもの。通常のホラー映画とは、恐怖のベクトルが全く違うため、ホラー映画の恐怖を楽しむというよりも、病気の怖さに恐れおののく作品となっている。
また、本作を観ていると現代医学の進歩に感謝したくなる。ある意味で教育的な映画でもあるのだ。