原作へのリスペクト・映像作品としての質の高さ・キャストの魅力
そのすべてが功を奏し一般層も虜に
BL漫画やBL小説を原作にした実写ドラマは、若手の舞台俳優などを売り出す目的で製作されることが少なくないため、ディティールの雑さが目立ち、コケることも往々にしてある。
その点『美しい彼』に関しては、監督をはじめ撮影班や役者に至るまで、製作陣全体の作品に対する解像度の高さと熱意を感じられる仕上がりになっている。
中でも主演キャストふたりの功績は大きい。
清居役の八木勇征は、LDHグループ「FANTASTICS」に所属するアーティストで、作品タイトルに引けを取らぬ美しいビジュアルを持つ。本格的な演技は本作が初めてだが、平良と関わり合うことで徐々に開花していく清居のヒロイン性を見事に体現した。『美しい彼』を耽読する原作ファンはみな、清居の再現度の高さに感動を覚えたことだろう。
平良役の萩原利久は、子役時代から着実にキャリアを重ねてきた実力派俳優だ。今年だけでもドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)や映画『ミステリという勿れ』など幅広く活躍している。本作においては、物語の核となる平良の気持ち悪さを切実に、時にコミカルに演じ上げた。
『美しい彼』は、対極な属性CPや受け攻めのギャップ、視点の切り替えなど、BL世界における「お約束」を守りつつ、効果的な演出や撮影手法を駆使して物語の魅力を最大限に引き出した。
その結果、普段からBLを嗜む者のみならず、一般層をも取り込む大人気作品になったのではないだろうか。
(文・佐澤ともみ)
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