天才的なセットアップに、”コート上の王様”の異名を持つ
影山飛雄(かげやま とびお)
演じるなら、この人!
~中川大志~
日向と同じ1年生であり、ポジションは試合を構成させるセッター(S)。
影山は、完璧なセットアップ(トス)を上げることができ、その正確さからチームメイトや先輩、他校の選手から「怖い」と言われるほどの、天才型セッターだ。
彼自身も自分が天才ということを自覚しており、試合に怯える日向に「ボールは俺が持って行く! 俺がいればお前は最強だ!」と発言する自信家だが、この性格が仇となっていた中学時代には「コート上の王様(=独裁者)」と、メンバーから影口を言われる存在でもあった。
しかし、本音でぶつかってくる日向と接する内に、チーム力や人のためにトスを上げることを学び、いつの間にか周りからは日向の相棒だと認識されるようになる。
一見すると、クールで、『スラムダンク』(集英社)で例えるなら、流川楓を思わせる。しかし、実際のところは流川とは似ても似つかない。日向やチームメイトに馬鹿にされると、激しくキレる、意外にもテンションの高いキャラクターだ。加えて、バレーにおいては天才だが、勉学になると追試を受けるほど頭が悪く、キレる時は「バカ」「ボケ」といった語彙しか出てこない(いや、その点ではやはり流川楓を彷彿とさせる)。
口下手でプライドが高い影山には、あまりピンとこないかもしれないが、あえて真逆のパブリックイメージを持つ中川大志をコンバートしたい。
中川大志は、ドラマ『家政夫のミタ』(2011 日本テレビ系)で一躍ブレイクし、ドラマ『花のち晴れ〜花男next season〜』(2018 TBS系)では、優しい2枚目な当て馬役、ドラマ『G線上のあなたと私』(2018 TBS系)では愛らしい大学生を演じた。中川大志と言われると、誰もが正統派のイケメンというイメージを思い浮かべるだろう。
しかし、転機となったのは2015年のドラマ『監獄学園-プリズンスクール-』(MBS、TBS)で主人公・キヨシだ。
キヨシは、学園の中にある監獄で、あらゆる理不尽に耐えるキャラクターだが、中川はイケメン俳優という殻を破り、汚れ役も辞さない体当たりの演技を見せ、見事作品を成功に導いた。
さらに、2021年のドラマ『僕の殺意が恋をした』(読売テレビ)では、ルックスと身体能力どちらも100点だが、殺しの才能は0点という、間が悪い殺し屋をコミカルに演じた。
影山のクールな面と、テンションの高い二面性の違いを演じ分けることができるのは、イケメン俳優の枠を超えることに成功した中川の他にいないだろう。