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キョンキョンが本人役で登場!

不適切にもほどがある第1話より ©TBS

毎回多彩なゲスト俳優が登場し、視聴者を沸かせる”ふてほど”。八嶋智人はなぜか半レギュラーのようなポジションを確立しているが…。

今回登場したのは、キョンキョンこと小泉今日子。登場時間は終盤のたった数分だけであったが、漂うレジェンド感でラストを完全に持っていった。

しかし、昭和からタイムスリップしてきたムッチ先輩が「キョンキョンだけどキョンキョンじゃない」と驚き、市郎が「今キョンキョン58。こんな感じ」と、失礼発言をぶちかます一連の流れは、まさに不適切にもほどがある、だ。

近年「デブ」「ブス」などの容姿いじりや、年齢いじりは避けられる傾向にある。とはいえ、よりによってあのキョンキョンを「おばさん」呼ばわりするとは…。しかしあえて「おばさん」という言葉が使われたであろうことと、このセリフを受け入れたキョンキョンの心意気には大いに感じ入るものがあった。

人間誰しも歳をとるということは避けられないが、女性に関しては歳をとればとるほど人としての価値が下がっていくような扱いを受ける場面は多い。歳を重ねた女性たちの多くは少しでも若く見られるために努力し、「おばさん」という言葉は「美魔女」という言葉に置き換えられる。

そんな中、あのキョンキョンが「おばさん」であることを受け入れたことで肩の荷が軽くなったように思えたのは筆者だけだろうか。とはいえ、もちろん「アンチエイジング」を批判したいわけではない。おばさんであろうとキョンキョンはキョンキョン。たとえ何歳になろうと真の美しさをもつ、こういう大人になっていきたいと素直に思わされる一幕だった。

劇中では、サカエを演じる吉田羊も「おばさん」呼ばわりされるシーンが多い。もちろん、キョンキョンと吉田羊に対するクドカンのリスペクトや信頼関係があってこそ成り立つセリフであることは前提におきつつ、不適切は時として、人を縛り付けていたしがらみから解き放つ力があると感じさせられた。

”ふてほど”は奥が深い。

(文・野原まりこ)

金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』TBS系毎週金曜よる10時放送中

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