日曜劇場らしくない? どこか危険な雰囲気に目が離せない…ドラマ『さよならマエストロ』第1話考察&感想レビュー
TBS系にて放送中の西島秀俊主演のドラマ、日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』。西島演じる天才指揮者・夏目が、芦田愛菜が演じる娘や家族との絆と、自身の人生を取り戻す再生物語。今回は、第1話のあらすじとレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
家族との絆を取り戻すヒューマンドラマ
日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート』(TBS系)の放送がはじまった。主演の西島秀俊が演じるのは、20代の頃から海外で活動し、有名オーケストラとの共演歴もある天才指揮者・夏目俊平。夏目は才能もあり、心から音楽を愛していた。ところが5年前に起こった“ある事件”をきっかけに、自ら音楽を手放し、家族をも失ってしまう。
夏目をことさら強く拒絶しているのが、芦田愛菜演じる娘の響だ。事件からの5年間、夏目はオーストリア、響ら家族は日本で暮らしていた。そんなある日、妻・志帆(石田ゆり子)に「仕事でフランスへ行っている間、子どもたちの面倒を見てほしい」と頼まれ、夏目は急遽帰国することに。気まずい中ではじまった同居生活で、夏目は娘の心を取り戻せるのか…? 日曜劇場にしては少々珍しい、家族の絆を描くヒューマンドラマだ。
夏目の帰国を聞かされていなかった響と弟の海(大西利空)。父親を嫌っている響は、当然だがほとんど口も聞いてくれない。家の中を歩く響の足音からも、怒りが伝わってくるようだった。一方の夏目も、子どもたちの面倒をみるとはいうものの、炊事も洗濯もからっきし。先の思いやられる共同生活の幕開けとなった。