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ローカルネタを詰め込んだ空前絶後のくだらなさ〜演出の魅力

映画監督の武内英樹
映画監督の武内英樹Getty Images

本作は、『パタリロ!』で知られる漫画家・魔夜峰央による同名コミックを実写化した作品。監督は『テルマエ・ロマエ』『今夜、ロマンス劇場で』の武内英樹で、脚本は『かぐや様は告らせたい』シリーズの徳永友一が担当。主演の壇ノ浦百美を二階堂ふみが麻実麗をGACKTが演じる。

名物がない、海がない、関東にあるのにパッとしない…。そんなネガティブイメージが横行し、ときに「だサイタマ」とも称される埼玉県。本作は、そんな長年にわたる埼玉のイメージを、煮詰めて爆発させたような映画である。

特徴は、なんといっても随所にちりばめられたローカルネタだろう。春日部から西葛西、ファッションきたむら、山田うどん、そして草加せんべい…。『秘密のケンミン― SHOW』さながらにご当地ネタが登場し、これらが魔夜峰央独自の耽美的な世界観のと大仕掛けの中で繰り広げられる。どこまでもくだらない(もちろん誉め言葉)作品である。

さて、実は、魔夜峰央による原作コミックはなんと37年前に出版されたもの。2015年、Twitter上でとあるファンが作品の一部をアップしたところ、さまざまな迷セリフが注目を集め大きな話題に。その後、宝島社が復刊した「このマンガがすごい! comics翔んで埼玉」が大ベストセラーになって社会現象化し、今回の映画化に至った。

なお、本作は日本アカデミー賞で優秀作品賞、優秀監督賞、優秀主演男優賞など最多12部門で賞を獲得したほか、第23回ファンタジア国際映画祭・アジアン最優秀長編作品賞・金賞受賞。興行収入も37億円を超え、実写化作品では異例なほどの大好評を博している。

ささやかなローカルネタをモチーフに、2.5次元作品へと昇華した本作は、まさにガラパゴス化した今の日本を象徴化した作品なのかもしれない。

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