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荒唐無稽な世界観を表現する精緻な映像表現〜映像の魅力

伊勢谷友介

伊勢谷友介【Getty Images】

脚本同様、本作は映像表現にもかなり力が入っている。世界観をしっかりと作り込んでいるからこそ、茶番がギャグとして笑えるものに仕上がっているのである。

どこか魔夜峰央のギャグ漫画『パタリロ!』の世界観をほうふつとさせる白鵬堂学院のキャンパスや、竪穴式住居が立ち並ぶ未開の地・春日部、そして、未確認生物が跋扈する秘境・群馬…。本作に登場する土地は、どれも極端にデフォルメされた世界観を持っており、圧倒的なインパクトで観客に迫ってくる。

また、本作一番の注目は、なんといっても「埼玉解放戦線」と「千葉解放戦線」が流川を挟んで対峙するシーンだろう。数万にも及ぶ軍勢が画面を埋め尽くすショットは、圧巻の一言である。なお、このシーンは、撮影現場であらかじめグリーンバッグを前にエキストラを撮影した画像素材をCGで合成したものを使用しており、「埼玉解放戦線」と「千葉解放戦線」が手を組んで都庁に攻め入るシーンでは、東京マラソンの記録映像が使用されているという。

ただ、本作の過度な演出にいささか胸焼けしてしまう人もいるかもしれない。例えば、エンドロールでは、お笑い芸人はなわが歌う『埼玉県のうた』に併せて歌詞の内容が写真やアニメーションで表示されるのだが、筆者には過剰に笑わせようという意識が感じられ、少し白けてしまった。ここは、もう少し力を抜いてもよかったのではないだろうか。

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