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クラシックからコミックソングまでバラエティ豊富な選曲~音楽の魅力

二階堂ふみ
二階堂ふみ【Getty Images】

本作の音楽を担当したのは、Face 2 fAKE(フェイス・トゥ・フェイク)。音楽プロデューサーのAchilles Damigos(アキレス・ダミゴス)とOh!Be(大羽義光)によって結成された国内初の音楽プロデューサーユニットである。これまで『できちゃった結婚』(2001年)や『電車男』(2005年)など、数多くのテレビドラマの音楽を担当してきた彼らだが、本作ではオーケストラによるハリウッド映画さながらの音楽を奏でている。

また、ヘンデルやバッハ、チャイコフスキーなど、随所にクラシック音楽が隠し味的に使われ、魔夜の耽美的な世界観を巧みに表現している。例えば白鵬堂学院の場面ではヘンデルの『ハープ協奏曲』が流れ、終盤「埼玉解放戦線」と「千葉解放戦線」が手を組んで東京都庁になだれ込むシーンで流れるのは、歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』の『間奏曲』が流れる。本作では、陰鬱な印象が強いヘンデルの『サラバンド』も、捧腹絶倒のギャグになってしまうのである。

また、本作を随所で盛り上げてくれる存在として、埼玉にまつわるコミックソングも忘れてはならない。本作では、以下の4曲が作中に挿入されている。
・さいたまんぞう『なぜか埼玉』
・はなわ『埼玉県のうた』
・さくまひでき&ゆうかりしずる『人生たまたま・・・さいたまで』
・かかし『山田うどんの歌』

この4曲の中でも、『なぜか埼玉』のリリースはなんと1980年。40年以上にわたりいじられ続けてきた埼玉県に改めて敬意を表したい。

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