ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » がっかりじゃない?『シン・仮面ライダー』を考察。過激描写続出…ショッカーの描き方は?長澤まさみらキャストも深掘りレビュー » Page 3

一流俳優陣が演じる個性あふれる「オーグ」に注目

俳優の森山未來(第33回東京国際映画祭より)
森山未來第33回東京国際映画祭よりGetty Images

「仮面ライダー」については、その長きにわたるシリーズの中で、多くのライダーが生まれ、「昭和」と「平成」にカテゴリー分けされるほどだが、ここでは本郷猛こと1号と、一文字隼人(柄本佑)こと2号しか登場しない。それは、庵野氏自身の世代も関係しているだろうが、やはりこの2人が、仮面ライダーの「原点」であることが理由だろう。

それでも、1号・2号ライダーを知らない世代であっても楽しめる脚本となっている。ルリ子が、ストーリーテラーとして、ショッカーと緑川父娘の関係性や、ライダーが誕生した経緯を明らかにする役割も担っているからだ。

加えて、次々と現れるオーグたちには、贅沢にも一流俳優陣がキャスティングされている。コウモリオーグ(手塚とおる)、ハチオーグ(西野七瀬)、サソリオーグ(長澤まさみ)、カマキリ・カメレオンオーグ(本郷奏多)、そして、ルリ子の兄でありながら、チョウオーグとして敵対する緑川イチロー(森山未來)。

様々な昆虫や鳥をオーグメンテーション(人間と一体化させ、その能力を拡張させる)することで驚異的な戦闘能力を誇る彼らは、それぞれが見事にキャラ立ちしている。

1 2 3 4