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「潔は主人公力の塊だとすると、凪はスター性が強い」
有澤プロデューサーが語る凪 誠士郎の魅力

©金城宗幸・三宮宏太・ノ村優介・講談社/「劇場版ブルーロック」製作委員会 
©金城宗幸三宮宏太ノ村優介講談社劇場版ブルーロック製作委員会

ーー凪は特に人気の高いキャラだと思いますが、今お話をお聞きして、プレーの最中に人間的に成長する描写が要因なのではと感じました。プロデューサー目線で考える凪の魅力はなんだと考えますか?

「純粋さ、素直さと、それゆえの意外性を持っているところだと思います。例えば玲王を置いて潔の方に行ったり、プレー以外でも何をするかわからないという雰囲気がありますよね。でも、ただぼーっとしているわけではなく、凪の中で追い求めているもののために直感で動くので、本当の天才ってこういう人を言うんじゃないかと。

加えて、ちゃんと他人の良いところを認めていたり、礼儀正しい部分や常識もちゃんとあるという、嫌味のない感じが、変な嫉妬など入らず、なんなら友達にもなれそうと思う人も多いと思います。潔は主人公力の塊だとすると、凪はスター性が強い人なのかなと考えます」

ーー原作は、男性のファンが多かったと思いますが、アニメから女性ファンが急増した気がします。その理由やアニメの成功の秘訣などを教えていただければ幸いです。

「女性ファンの方もとても増えてくれていると感じます。今、アニメというジャンルそのものの注目度が上がっていますし、特に人気原作のアニメ化だと、『原作が話題になっていたし、アニメになったら観てみるか』という人が増えているので、その波に上手く乗れたのがよかったと思います。

女性のファンも含めて、一気に人気が広がった感じがあるのは、物凄い勢いでストーリーが進んでいくタイプの作品でありながら、しっかりとキャラの個性が立っているところなんじゃないでしょうか」

ーーキャラクターが全員魅力的ということもあり、今でいうところの『推し活』にも繋がっていそうです。

「そうですね。誰が見ても好きなキャラクターが1人は見つかると思います。そういう意味で言うと、原作では演出として、都度名前のテロップが出ますよね。それをアニメの方でも踏襲させていただいたんです。

アニメだと、物語の中にその世界の人には見えていない文字や情報をどこまで出すべきか、という議論は常にあると思うんですけど、これだけキャラ数も多いので、キャラクターの名前が覚えやすくするためにも、逐一見せる今の形は良かったかなと思います。そもそも原作でのテロップ演出もかっこいいですしね」

ーーキャラ数が多いと覚えるのに時間がかかったりしますよね。とてもありがたい演出です。

「そもそも『ブルーロック』のキャラは、ちゃんとその名前で呼びたくなるような語感の良さ、覚えやすさがあって、金城先生のネーミングセンスに脱帽させられます」

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