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CG全盛の現在からみても最高峰の映像美に酔いしれる

一度観れば二度と忘れない、斬新かつ美しい映像に満ち溢れている。臨場感あふれる冒頭のアフリカのシーンでは、縦12m・横27mの巨大スクリーンを用いた「フロント・プロジェクション」という合成技術が駆使されており、ロケ撮影では得られない幻想的な雰囲気を表現。

フロント・プロジェクションクションを駆使した冒頭のシーン
フロントプロジェクションクションを駆使した冒頭のシーンGetty Images

終盤に登場する光のトンネルは、特殊な装置とカメラを用いた「スリットスキャン撮影」によって生み出され、この技術は『スタートレック』(2009)や『インターステラー』(2014年)にも活用されている。

また、宇宙船・ディスカバリー号を捉えた映像にも細心の工夫がなされている。ディスカバリー号のミニチュアは10mを優に超える大きさがあり、標準的なレンズで撮影した場合、船体の奥はボケしてしまう。撮影監督のジェフリー・アンスワースとジョン・オルコットのコンビは、画面の手前から奥まで等しく焦点を合わせる「パンフォーカス」という技術を使いたクリアなカメラワークによって、ディスカバリー号にリアルな質感を与えているのだ。

リアリティーを追求するキューブリックの姿勢は、無重力表現にも見出せる。登場人物が逆さまの状態で歩くシーンには合成技術が使われておらず、巨大な回転装置と巧みなカメラワークによって表現。無重力空間における人体の動きを、極めてリアルに描写した映像は、公開からどんなに時が経っても古びず、観る者を驚かせ続けている。

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