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映画史上に残る名サウンドトラックはいかにして生まれたか

サウンドトラックはすべてクラシック曲によって構成され、独創的な効果を発揮している。オープニングで使用されている楽曲は、リヒャルト・ワーグナー作『ツァラトゥストラはかく語りき』。力強い旋律が鳴り響く中、太陽の光を浴びた地球が映し出され、程なくして作品タイトルが画面いっぱいに浮かび上がる。観る者は音楽の力に牽引されることによって、非日常的なSF世界にスムーズに身を置くことができるのだ。

他にもヨハン・シュトラウス『美しき青きドナウ』や、アラム・ハチャトゥリアン『ガイーヌ』など、クラシックファン垂涎のナンバーが軒を連ねる中、ハンガリーの前衛音楽家であるジェルジ・リゲティの楽曲は4曲も使用されている。とりわけ終盤に流れる『レクイエム』は、宇宙空間に1人取り残されたボーマン船長の心の動きを巧みに表現している。

クラシック楽曲の壮大な調べがシーンを盛り上がる一方、静謐な場面も強く印象に残る。船員が宇宙空間を浮遊するシーンでは、荒い息づかいと酸素ボンベの稼働音のみが聞こえ、手に汗握る臨場感を盛り立てる。

クラシックの名曲を駆使した「動」の音使いと、呼吸音や心臓音にフォーカスを絞った「静」の音響表現が互いを高め合い、作品の音世界を極めて豊かなものにしている。

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