ホーム » 投稿 » 海外映画 » レビュー » 映画「アメリカの夜」ヌーヴェルヴァーグの天才によるフランス映画 珠玉の音楽を手がけたのは?<あらすじ 考察 レビュー> » Page 2

アメリカの夜 【ネタバレあり】あらすじ

初老のネルソンは、ジェリーと親子ほどの年齢差がある。一方、アルフォンスから熱烈なラブコールを受けているリリアンは、カメラマンの男と密かに通じていた。

ジュリーは堂々とした芝居っぷりでアレキサンドルとのラブシーンをこなす。夫のネルソンはその様子を見届けると、安心した様子でいち早く帰国した。他方で、リリアンの浮気に悩むアルフィンスは精神のバランスを崩し始めており、人に会うたびに「女は魔物なのか?」といった発言を繰り返し、周囲を困惑させる。

撮影は半ばを過ぎ、主役の新妻が事故を起こすシーンを撮る段となった。車が崖から落下する、難易度が高いシーンである。また、このシーンではカメラに特殊なフィルターを装着し、夜の場面を昼間に撮影する「アメリカの夜」(疑似夜景)という技法が使われた。スタントマンの活躍に助けられ、無事に撮影を終えたスタッフ一同は安堵する。

しかし、撮影終了後、事件が起こる。リリアンがスタントマンの男と駆け落ちしたのだ。残りの撮影を放棄して故郷に帰ろうとするアルフォンスを、ジェリーは必死で止める。言葉では引き止められないと観念したジェリーは、アルフォンスと肉体関係を結ぶのだった。

次の日。正直者のアルフォンスは、ネルソンに電話をかけ、ジェリーと一夜を共にしたことを懺悔する。善意が裏目に出たジェリーはショックを受け、部屋に引きこもってしまう。

監督のフェランやスタッフはジェリーに立ち直ってもらうように尽力するが、ジェリーは四六時中泣き続けている。そんな中、ネルソンが再び撮影現場にやってくる。寛大なネルソンから優しい言葉をかけられ、ジェリーはやっと立ち直るのだった。

撮影が再開された矢先、アレキサンドルが交通事故で命を落とす。撮影中断が囁かれる中、フェランは何とか完成させようと脚本を改変。アレキサンドルが演じた父親が途中で亡くなる設定に変え、撮影を続行する。

すったもんだあった挙句、撮影はクランクアップ。アルフォンスはジェリーに心から謝罪し、ジェリーは笑顔で許す。1カ月にも満たない撮影期間中、濃厚な時間を共有したスタッフたち。次の現場で再会することを誓い合って、解散するのだった。

1 2 3 4 5 6 7