映画『アメリカン・ビューティー』【ネタバレあり】あらすじ
その夜、レスターはキャロラインの不動産パーティーに付き添いで参加する。キャロラインは同じパーティーに参加してたバディと親しくなり、やがて不倫関係になる。レスターはパーティーで偶然ウエイトレスをしていたリッキーに会い、リッキーが薬物の売人であることを知ると、2人は意気投合する。
レスターがパーティーから帰ると、家にアンジェラが遊びにきていた。レスターの自分への気持ちに気づいているアンジェラは「筋肉があれば、あなたのパパと寝るわ」とジェーンに言い、それを盗み聞きしていたレスターはさっそく筋トレを始めるのであった。
リッキーはまたもや、ジェーンの顔や裸で筋トレするレスターの様子を盗撮していた。アンジェラに恋をしてから自信を取り戻しはじめたレスターは、今まで我慢していた主張をキャロラインにぶつけるようになる。ついに会社もクビになるが、上司の不祥事をネタに金を要求する。「失うものは何もない」と思い始めたレスターは、責任の少ないハンバーガーショップで働き始めた。
一方、ジェーンはリッキーとの仲を深めていくうちに、彼の家に招かれ、父親のコレクションや、リッキーが撮りためていた盗撮映像を一緒に見る。自らの美学を語るリッキーに惹かれたジェーンは、彼の手を取ると、キスを交わすのであった。
リッキーは自分が薬物に手を出すようになった経緯を話すと、ジェーンも自分の家庭環境を話し「自分の友達に色目を使うなんて最低。あんな父親なら死んだほうがマシ」と言う。それに対して「殺してあげようか?」と言うリッキー。
その頃レスターは体を鍛え、別人のように変わっていた。日課のジョギング中、リッキーとすれ違うと薬物を買うために「後で連絡する。」と話をする。するとその様子を見ていたフランクが、何やら親密そうな息子とレスターを見て、息子がゲイなのではないかと疑う。そこでフランクがリッキーの部屋に入ると、裸で筋トレをするレスターの様子を収めたビデオを見てしまう。
その日の昼、レスターが働くハンバーガーショップにキャロラインと浮気相手のバディが車でやってくる。レスターは今更妻が浮気をしていようと気にもしなかったが、不倫関係がバレた2人は動揺し、もう会わないと決める。
夕方、レスターは薬物を買おうとリッキーを自宅に呼び出した。2人の関係を突き止めようとしたフランクは後をつけると、上半身裸でリラックスした様子のレスターの前に、しゃがみ込むような姿勢をとったリッキーを見てしまう。
家に戻ったリッキーは勘違いしたフランクに、「男相手に体を売って金を稼いでいるな」と責められると、売人をやっていることがバレるくらいならゲイと勘違いされた方がマシだと思い、勘違いを訂正せずに家を出る。
夜、ジェーンの家にはアンジェラが遊びにきていたが、リッキーがジェーンに2人で駆け落ちしようと誘う。アンジェラが止めるのも聞かず、ジェーンは誘いに乗ってしまう。
一方、ガレージで筋トレをしていたレスターがキッチンへ戻ると、泣いているアンジェラを見つける。レスターは彼女を慰めながらベッドに向かうと、アンジェラは「初めてなの」と告白する。それを知ったレスターは急に現実に引き戻され、娘と同じ歳の子の初体験を奪ってはならないと気がつき、アンジェラを落ち着かせるのであった。
アンジェラからジェーンが恋をしていると聞いたレスターは、家族写真を見つめると、人生を改め直す決意をしようとしていた。すると突然銃声が鳴り響き、レスターは頭を撃たれて倒れてしまう。アンジェラはトイレで銃声をきき、リッキーとジェーンは撃たれたレスターを発見する。キャロラインはレスターの死体を見て泣き崩れた。
ゲイを毛嫌いするフランクはレスターを撃つと、返り血を浴びたまま家に帰った。レスターは最期に「こんなことになって怒っているかって? 美の溢れる世界では怒りは長続きしないんだ。だから、最期に残るのは感謝の念だけだ。大丈夫。君にもいつか理解できるよ。」と言い残し、息を引き取った。