ブラック・スワン 【ネタバレあり】あらすじ
晴れて主役に抜擢されたニナは、公演前のパーティに参加する。トマは衆目の前でベスの引退を発表し、劇団の新しい顔としてニナを紹介する。
本番に向けた稽古が始まった。トマの演出は激しさを増し、ニナのプライベートな部分にも踏み込んでいく。トマから「性的な魅力が足りない」と苦言を呈されたニナは、思い悩んだ末に母親と衝突。反抗の意も込めて、リリーと一緒に夜の街に繰り出し、見知らぬ男と肉体関係を結ぶ。エリカはニナを叱責し、2人の溝はさらに広がるのだった。
混乱したニナはリリーの部屋に向かい、2人は体を重ねるが、ニナが目覚めると傍らにいたはずのリリーがいない。急いで練習場に向かうと、リリーがニナの代役を務めていた。実のところ、リリーとニナが一晩を過ごした事実はなく、すべてはニナの妄想であったことが判明する。
本番当日を迎えても、ニナのノイローゼは深刻さを増すばかり。彼女の様子に危険を察知したエリカは、劇場に連絡。ニナに黙って主役降板の意思を伝える。ニナは母の振る舞いに激怒。制止を振り切って劇場に駆け付けると、リリーがニナの代役としてリハーサルに臨んでいる。ニナはトマに自身が健在であることを告げると、本番の舞台に立つのだった。
本番が始まってからも、ニナは幻覚に襲われ、致命的なミスを犯してしまう。二幕目が終わり、落ち込んで楽屋に戻ると、そこには黒鳥に扮したリリーがいる。ニナはリリーが自身に変身する姿を見て混乱し、割れた鏡の破片で彼女を刺し殺してしまう。
三幕目が始まると、舞台上には黒鳥に扮したニナが現れる。迫真の演技に、会場から拍手が送られる。三幕目が終わると、トマが楽屋に訪れ、賞賛の言葉を口にする。トマに続いて、ニナが刺し殺したはずのリリーが楽屋に入ってくる。ニナは急に痛みを覚え、腹部を見ると血が滲んでいる。リリーを刺したのは幻覚であり、本当は自分を刺していたのだ。
四幕目がはじまり、「白鳥の湖」はクライマックスに差し掛かる。ニナは白鳥が崖から飛び降りて、自殺するシーンを貫禄たっぷりに演じ、舞台は大喝采のうちに幕を閉じる。ニナは駆け寄ってきたトマに抱擁されるも、急に脱力したように倒れ込む。そして、満足そうな表情で天井を見上げると、視界は徐々に光に満たされていくのだった。