ホーム » 投稿 » 海外映画 » レビュー » 映画「ブラック・スワン」衝撃の展開と狂気のラスト…その評価は?<あらすじ 解説 考察 レビュー> » Page 7

ブラック・スワン 音楽の魅力

音楽を担当するイギリス出身の音楽家・クリント・マンセルは、ダーレン・アロノフスキーの処女作『π』(1998)以来、同監督とタッグを組んでいる。冒頭と最後のシークエンスは、物語のモチーフである『白鳥の湖』のナンバーが使用され、悲痛な物語を格調高く彩る。

冒頭の舞台シーンはニナの見た夢である。ここでは、音楽に合わせてニナの呼吸音が繊細に拾われており、踊ることに対する自信のなさ、不安がさりげなく表現されている。

一方、終盤の舞台シーンでは音響のあり方もガラッと変わる。ニナが完璧に役になりきり、女優として格段の成長を見せるこのシーンでは、呼吸音の代わりに鳥の鳴き声や羽音のような音響が使用され、すこぶるユニークな効果を発揮している。

《主な使用楽曲》
チャイコフスキー『白鳥の湖』
ケミカル・ブラザーズ『ドント・シンク』

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