海外の反応がスゴい…なぜラストで本物の矢を使用した? 映画『蜘蛛巣城』徹底考察。原案「マクベス」との比較、能の影響も解説
text by 編集部
永遠の巨匠、黒澤明の初期作品『蜘蛛巣城』のネタバレあらすじに加え、演出、脚本、配役、映像、音楽の視点で徹底考察。本物の矢を使用したラストシーンの秘密とは? シェイクスピア「マクベス」との比較、老婆が象徴する意味、海外の反応を紹介。作品の魅力を多角的な視点で明らかにする。【あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー】
『蜘蛛巣城』あらすじ
北の館の主である藤巻の謀反を鎮圧した武将・鷲津武将と三木義明は主君である都築国春に召し呼ばれ、蜘蛛巣城へ馬を走らせた。そんな中、慣れ親しんでいる「蜘蛛の手の森」で道に迷い、白髪に奇妙な風貌をした老婆と出会う。老婆はそこで奇妙なことを口にする。
武時はやがて北の館の主、そして蜘蛛巣城の城主になること。そして義明は一の砦の対象となり、そのうち子が蜘蛛巣城の城主になることを告げる。
武時からその一部始終を聞いた妻・浅茅は、この老婆の予言を国春の耳に入ると自分達が危ないと、謀反を唆し、武時の心を揺さぶる。国春が謀反の黒幕である隣国の乾を撃つために北の館へやってくる。その晩、浅茅は見張りの兵士たちを薬で眠らせ武時は眠っている間に国春を殺す。