坂本龍一の珠玉の名曲ー音楽の魅力
本作の音楽は、ヨノイ役の坂本が自ら大島に直談判し、制作している。特にメインテーマである「Merry Christmas Mr.Lawrence」はクリスマスの定番曲であり、おそらく本作を観たことがない人も一度は耳にしたことがあるだろう。
作曲にあたり坂本は、ワイングラスの音をシンセサイザーでサンプリングし、クリスマスの鐘を思わせる現代的なサウンドを生成。この音をペンタトニック(ド・レ・ミ・ソ・ラ)で配置することで、戦争映画にはおよそ似つかわしくない切なくも美しい東洋的なメロディーを生み出した。
また、「Batavia」や本作のクライマックスで流れる「Sowing The Seed」では、作中の舞台であるジャワ島にちなみ、ガムランを使用。どちらもミニマルなフレーズが鳴り響く坂本らしい曲に仕上がっている。
なお、メインテーマである「Merry Christmas Mr.Lawrence」は、坂本のディスコグラフィの中でもとりわけ知名度が高く、坂本自身の手で何度もアレンジが加えられているほか、生前最後に開かれたコンサート「Opus」でも演奏されている。
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