レッドフォードとニューマンの黄金コンビの復活―配役の魅力
本作の配役の見どころは、やはり主人公のレッドフォードとニューマンの黄金コンビだろう。向こう見ずな若さとフレッシュさを兼ね備えたレッドフォードと、渋さと貫禄を兼ね備えたニューマン。ベクトルの異なる2人のカッコよさに、思わずうっとりと見入ってしまうこと請け合いだ。
本作は当初レッドフォードの出演のみが決まっており、ニューマンが演じたゴンドーフは、元々「くたびれた大柄の中年男」が想定されていた。しかし、監督のヒルがロケ地としてニューマンに自宅を使わせてもらえないか交渉したところ、ニューマンが作品に興味を示し、そのままゴンドーフ役に決まったという。
なお、フッカーと恋仲になるウェイトレスのロレッタ役には、顔や名前が割れている女優ではない方がいいとの理由から、当時無名のディミトラ・アーリスを起用。スタジオ側は著名な美人女優を起用するように要求したが、ヒルは頑なに拒んだという。
また、ロネガン役のロバート・ショーをはじめ、チャールズ・ダーニングやアイリーン・ブレナンといった往年の名脇役たちの競演も大きな見どころ。堂に入った演技でレッドフォード演じるフッカーをがっちりサポートしている。