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盟友・平沢進の奇怪なメロディー音楽の魅力

今敏監督
今敏監督【Getty Images】

今敏作品といえば、平沢進の音楽に触れないわけにはいかないだろう。『千年女優』以降、一貫して今敏作品の音楽を担当してきた平沢。神話や民俗学をモチーフにしたその歌詞は、今の作品世界にダイレクトに影響を与え続けてきた。まさに今のフィルモグラフィは、平沢の音楽と共にあるといっても過言ではないのだ。

とりわけ、平沢との3度目のタッグとなる本作では、平沢が先に楽曲を作曲し、そこから今が描画するという手法が採用されており、今の作品に多大なインスピレーションを与えている。では、以下に印象的な作品を挙げていこう。

まずはエンディングテーマである「白虎野の娘」。本作は映画の制作に先立って発表された楽曲「白虎野」と同じメロディでありながら、歌詞が本作向けに少しカスタマイズされている。ボーカロイドを利用した歌や多重録音、ベトナム語の歌詞を含んだ詩的で念仏のような歌詞が本作の作風にぴったり当てはまっている。

また、魑魅魍魎が練り歩く百鬼夜行のシーンで流れる「パレード」では、人間とも機械ともつかない不気味な声が、打楽器のリズムをバックに流れ、啓示的でありながら終末的な雰囲気を感じさせる。

なお、今の葬儀では、出棺の際に平沢の楽曲が流れたという。狂気の天才・今の旅立ちにはふさわしい楽曲だったと言えるかもしれない。

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