スパイ大作戦さながらのチームワーク〜配役の魅力
本作では、ロケ地となった6カ国から、それぞれの国を代表する名優が集結している。まずは、アメリカからレオナルド・ディカプリオとジョセフ・ゴードン=レヴィット。日本からは渡辺謙。イギリスからはトム・ハーディとマイケル・ケイン。フランスからはマリオン・コティヤール。カナダからはエレン・ペイジ、アイルランドからはキリアン・マーフィと、国際色豊かなキャスト陣が共演を果たしている。
本作最大の魅力は、やはりコブをはじめとする個性豊かな6人のメンツだろう。ときにドジを踏みながらも、往年のスパイ映画さながらのチームワークで任務遂行のために力を合わせる彼ら。この演出からは、イギリスを代表するスパイ映画『007』シリーズを見て育ったというノーランの嗜好がうかがえ、観客である私たちをワクワクさせる。
中でも、特に印象的なのが、アーサーを演じるジョセフ・ゴードン=レーヴィットである。『ザ・ウォーク』や『500日のサマー』での爽やかな演技が印象的な彼だが、本作では冷静沈着な判断力でチームを裏から支えるコブの右腕を好演。本作屈指の見せ場である無重力空間でのアクションシーンも難なくこなしている。