格調高い映像の中に刻印された光と影ー映像の魅力
本作の撮影には前作のカメラマンであるゴードン・ウィリスが続投。前作同様、格調高いコントラストのある映像が作品に奥行きを与えている。また本作では、栄華を極めていくヴィトーパートが粒子の粗い粒子とセピア色で温かなムード描かれているのに対し、マイケルパートは陰影強めに描かれており、マイケルの冷酷さと心の闇を際立たせている。
なお、本作のラストで、コルレオーネ一家が食卓を囲んでヴィトーの誕生日を祝うシーンは、本来前作でヴィトーを演じたマーロン・ブランドが出演する予定だったが、前作で映画会社と交わした契約に不満を持っていたことから、本作への出演に対して首を縦に振らなかった。そのため、本作のヴィトーは別室にいるという設定になっている。しかし、中心となるヴィトーが出演していないことで、むしろ一家の長としての重みが際立っている。
なお、本作は、予算が潤沢にあったことから、1918年当時のニューヨーク市内東6番街の1ブロックをまるごと改築。美術は前作同様ディーン・タボウラリスが担当している。